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硫黄化合物・硫化アリル・アリイン・アリシン

概要

硫黄化合物である硫化アリルの一種「アリイン」が体内に入ると、酵素アリイナーゼに加水分解されて「アリシン」に変化します。
アリシンには強力な殺菌作用があり、O157菌・大腸菌・サルモネラ菌や病原性のカビ、チフス菌、コレラ菌、寄生虫などに対する殺菌力があり、消化器系の感染予防になるほか、体内で胃の消化液の分泌を活発にし、食欲を増進させたり、ビタミンB1の吸収を高めたりするなどの働きをします。
ビタミンB1を多く含む大豆などと一緒に食べると効果的です。

効果効能

・疲労回復効果
・生活習慣病を予防する効果
・血糖値の上昇を抑える効果
・血流を改善する効果
・感染症を予防する効果
・食欲増進効果

●アリシンはビタミンB1(チアミン)と化合してアリチアミンになり、血液中で長時間維持されるため、ビタミンB1(チアミン)の働きが効果的に持続し、疲労回復に有効です。
武田製薬の「アリナミン」シリーズの錠剤や栄養ドリンクなどはアリチアミンを利用したものです。

●熱、悪寒、頭痛、低体温には、大蒜や生姜に鷹の爪を煮詰めて、刻み葱を入れて飲めば、殺菌作用のあるアリシンが消化液の分泌を促し、内臓の働きを活発にし、 血行をよくし、体を温め、発汗作用を促します。

●大蒜・玉葱・長葱などを切ったり擦りおろすと目が痛くなりますが、これは揮発した硫化アリルが粘膜(ねんまく)を刺激するためです。
殆どが鼻から侵入してくるので、目を洗い流すだけでは痛みを緩和することはできません。
換気扇や火のついているコンロの近くで調理すると刺激成分が上昇気流に乗るので避けられます。

●葱を切る場合、繊維に沿って切れば催涙や辛味を軽減できます。

●葱の催涙成分にはアスピリンと同じ鎮痛・解熱効果があり、昔の人は風邪をひくと葱を首に巻く程でした。

●肉や魚の臭いを消す働きもあります。

●擦りおろした大蒜汁は水虫に効くそうです。

「魚介類に含まれる水銀について」
厚生労働省は、「低濃度の水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされていることを踏まえ、妊娠中の魚介類の摂食について以下の注意事項を公表しているところです。
水銀含有量の高い魚介類を偏って多量に食べることを避けて水銀摂取量を減らしつつ、魚食のメリットを活かしていくことが望まれます。」
主にマグロなどの大型魚や深海に棲息する魚に水銀が多く含まれ、大量の摂取を控えるように指導しています。
水銀が大量に摂取されると、胎盤を通じて胎児に蓄積される可能性があり、聴力障害、自閉症のリスクがあるとされています。
硫黄化合物は水銀を解毒し、体外へ輩出する効果があります。

●因みにサルやチンパンジーにいくら与えても平気ですが犬、猫、牛などに与えるとタマネギ中毒になる可能性が指摘されています。

●硫黄化合物は、蛋白質をつくる遊離アミノ酸が豊富です。
20種(近年22種)のアミノ酸のうち、体内で合成されるものが10種、残り10種の必須アミノ酸は食事などで補給します。
10種のアミノ酸の並ぶ順序と連なる長さによって、10万種のタンパク質の種類や働きが決定されます。
大蒜には18種のアミノ酸があり、一カ月熟成させるとアミノ酸の量が倍に増えます。
しかし大蒜の過剰摂取は、悪臭源・赤血球破壊(血尿、血便、急性貧血)・胃腸障害(生で過剰摂取の場合)・ 眼病・アレルギーの原因になるので、生の場合で1日1片、加熱調理したものでも1日2~3片を上限とし、子供はその半分にして下さい。

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