カートアイコン
カート
0

現在カート内に商品はございません。

硝酸態窒素の摂取量と症状

人間が摂取した硝酸態窒素は、主に消化管から速やかに吸収されて血液に移行し、一部が唾液中に分泌され、大部分は腎臓を通じて尿中に排泄されます。
濃度が高い硝酸態窒素は、消化器官に吸収されたものが微生物により還元が行われ亜硝酸態窒素となり、消化器官内でタンパク質中のアミンやアミドなどと反応して、発癌性物質「ニトロソアミン」を生成します。
また、亜硝酸態窒素が血液中のヘモグロビンと反応し、酸素運搬機能のない血色素のメトヘモグロビンを生成します。
通常1-3%程度であるメトヘモグロビン濃度が10-20%になると、血液中の酸素が不足し、皮膚や粘膜などが青紫色になるチアノーゼ症状(酸素欠乏症)を発症します。
20-30%になると、不安、頭痛、作業時の呼吸困難が起こります。
30-50%になると、疲労、精神錯乱、めまい、頻呼吸、動悸が起こります。
50-70%になると、昏睡、発作、不整脈、アシドーシスが起こる。
70%以上になると死亡します。
これら症状を「メトヘモグロビン血症」と呼びます。
硝酸態窒素の亜硝酸態窒素への還元は微生物によって行われますが、その繁殖・活動はpH5以下で抑制されます。
よって、胃液のpH値が2~3である大人では硝酸態窒素の還元が殆ど起こりませんが、胃酸の分泌が少ない乳幼児はpH5~7であるため還元反応がおこります。
また乳児は酸素運搬機能のない血色素のメトヘモグロビンをヘモグロビンへ還元する還元酵素の活性が大人より低いためメトロヘモグロビン血症に罹患しやすいとされています。
乳児メトヘモグロビン血症の最初の報告は、1945年アメリカの農場で確認され、1946年以降は、北米やヨーロッパで約2,000の報告があり、そのうちの7~6%が死亡しています。
1956年には、アメリカで裏ごししたホウレンソウを離乳食として与え、30分後に278人の乳児が中毒となり、39名が死亡した「ブルーベビー事件」が発生しました。
これ以来、メトヘモグロビン血症によって体内が酸欠状態になり、全身が真っ青になった乳児を一般的に「ブルーベビー病」と呼んでいます。
硝酸態窒素は、発癌性の危険もあり、こうした背景からヨーロッパでは硝酸態窒素の残留濃度基準が定められましたが、日本では基準値が定められていないため、HIRYUでは硝酸態窒素検査を行っています。


TOP