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「玄米に含まれるタンニンは消化不良を起こす」という誤解

タンニンといえば、口に入れると強い渋みを感じさせる原因物質として有名です。
これは、タンニンが舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させる「収れん作用」によって生じる痛みや触覚に近い感覚といわれますが、この作用は粘膜からの分泌を抑えるはたらきがあるので、経口摂取により止瀉作用や整腸作用があらわれます。
このため、タンニンを含む植物には薬用植物として用いられるものが多く存在します。
タンニンとは、植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称であり、植物界に普遍的に存在しています。
タンニンに富んだ植物を喫食する草食動物では、しばしば摂食阻害を引き起こし、また、生体の消化管内でタンニンが食物中タンパク質や消化酵素と結合することによって消化阻害が誘発され、結果として食物消化率が低下することも報告されていることから、食事でタンニンを過剰に摂取した場合、体内で消化酵素のはたらきを妨害することを懸念される方がいます。
一方、タンニンは抗酸化作用の強い物質で、緑茶の健康成分として知られるカテキン「エピガロカテキンガレート」もタンニンの一種です。
タンニンの中でよく知られているほかの代表的なものには、コーヒータンニン、紅茶の赤色色素になるテアフラビン、ワインタンニン、渋柿に多く含まれるカキタンニンなどがあります。
2018年、イスラエルのテルアビブ大学が『ネイチャー』系の科学誌にエピガロカテキンガレートとタンニン酸は、先天性代謝異常によってつくられるアミロイド様凝集塊の形成を阻害する可能性を示唆する研究論文を発表し、先天性代謝異常の一種であるフェニルケトン尿症の改善に期待が寄せられています。
要するに、肝心なのは一度のタンニン摂取量です。
玄米にはごく微量のタンニンしか含まれませんが、小豆には100gあたり約800~900mg含まれています。
コーヒーや茶抽出液100ml中に含まれるタンニン量は、多い順にコーヒー250mg、玉露230mg、紅茶100mg、煎茶70mg、釜炒り茶50mg、ほうじ茶40mg、番茶・ウーロン茶30mg、玄米茶10mgです。
タンニン濃度と渋味の関係については、ほとんどの人が液中のタンニン濃度が30mg/100ml以下では渋味を感じませんが、50mg/100ml以上では渋味を感じ、85mg/100ml以上では強い渋味を感じる研究結果が北海道立農業試験所から出されています。
発芽酵素玄米御飯づくりに使う小豆の量は、茶碗1杯分あたり7.5g(タンニン量換算60~67.5mg)と煎茶1杯弱分程度の量であり、タンニンの過剰摂取による食物消化率低下の心配には及びません。


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