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「玄米にはヒ素が多く含まれるので危ない」という誤解

ヒ素は自然界に広く存在する元素で、炭素を含む「有機ヒ素化合物」と炭素を含まない「無機ヒ素化合物」に大別されます。
このうち、強い毒性が確認されているのは、三酸化二ヒ素や亜ヒ酸ナトリウムなどの「無機ヒ素化合物」であり、経口摂取による最小致死量は体重1kgあたり2mg(=2000μg)です。
また、小児における経口最小中毒量は、体重1kgあたり1mg(=1000μg)です。
なお、急性ヒ素中毒の症状には、発熱、下痢、衰弱、食欲の減退、嘔吐、興奮、発疹、脱毛等がみられ、重篤な場合は、腹痛、激しい嘔吐、水溶性下痢、脱水によるショック、筋痙攣、 心筋障害、腎障害、最悪の場合は24時間以内に死亡するとされています。
有名なヒ素中毒による健康被害事例は、和歌山毒物カレー事件(1998年)、ヒ素ミルク中毒事件(1955年)、土呂久砒素公害(1920-1941年、1955-1962年)があるので、「ヒ素」に対して悪いイメージがあるかもしれませんが、これらの事件では許容量を超える極めて多量のヒ素を一度に、または継続的に摂取したことが原因です。
食品安全委員会によると、日本国内における1日の無機ヒ素摂取総量は45μgとの統計データがあり、食品由来のヒ素ばく露量は、多い順に海藻>>貝類>魚類>野菜>米・小麦・コーンとされ、野菜や米・小麦・コーンからのヒ素摂取量は1μg/g未満です。
小児の平均的な出生時体重3kgをもとに考えると、無機ヒ素による経口最小中毒量は3000μgということになり、1日の無機ヒ素摂取総量はヒ素中毒を起こす量の1.5%ほどであり、問題ないことがわかります。
さらに、ヒ素及びその代謝産物は、主に尿及び胆汁に排泄されるため、長期間にわたってよほど多量の「毒性の強い無機ヒ素化合物」を継続的に摂らない限り、健康上の問題にはなり得ません。
また、ひとえに「ヒ素」と言っても、中には海藻に含まれる“アルセノベタイン”や“アルセノシュガー(ヒ素糖)”のように、毒性が非常に低い又は確認されていないものもあります。


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