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化学肥料とは

化学的手法により製造された肥料のことを「化学肥料」といい、古くは人造肥料ともよばれていました。
堆厩肥(たいきゅうひ)などの自給肥料や油かす、骨粉などの動植物を原料とした「有機質肥料」に対する呼び名として用いられます。
1839年にドイツのリービヒが、骨粉に硫酸を作用させ水溶性リン酸をつくり、これが肥料として有効であるとしたときが化学肥料の始まりと考えられています。
日本では、1875年(明治8)リン酸アンモニウムと過リン酸石灰がつくられ試用されたのが初めです。
化学工業が発展した現在の日本で使われている肥料の大部分は化学肥料が占めており、高生産・高能率な現代農業技術の進歩は、化学肥料によってもたらされたといえます。

化学肥料の種類
化学肥料は、組成、形態、施肥法など種々の観点から分類されます。
肥料三要素である窒素・リン酸・カリ(カリウム)のうちの1種類のみを含むものは「単肥」といい、その主成分によって「窒素肥料」「リン酸肥料」「カリ肥料」に分類され、2種類以上を含有するものは複合肥料に分類されます。
このほか、作物に有効な石灰、ケイ酸、苦土(酸化マグネシウム)、マンガンを主成分とするものや、数種の微量要素を混合した肥料、農薬を混入した肥料、肥効を調節した緩効性肥料や被覆(コーティング)肥料など多くの種類があります。(下表参照)


出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

肥料成分は、単独に施用するよりも適切な割合で複合して与えた方が作物にとって一層効果があることと、取扱いが便利であることから、単肥で使用される割合は少なく、化成肥料や配合肥料が施用量の大部分を占めています。
また、粉末での使用から、粒状に成形されたものへと主体は変わってきており、さらにこのような固形のものばかりでなく、家庭園芸用や農家施設栽培用に種々の成分を調合した液肥の使用が増えつつあります。
しかし、化学肥料の便利さの裏側で、作物に吸収されなかった肥料成分が水に流れて地下水へと溶出し、河川・湖沼・海洋汚染の原因となる問題や、被覆肥料に使われるプラスチック被覆材が風化されてマイクロプラスチックとなり、環境汚染源となっている問題、大量の化学窒素肥料の投与によって植物内に蓄積された過剰な硝酸態窒素が引き起こす健康問題、長期使用による土壌環境の悪化等、さまざまな欠点が懸念されています。

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