化学(被覆)肥料や農業資材による海洋汚染
街の捨てられたレジ袋や食品トレー、ストロー、ペットボトルなどプラスチックゴミは雨で側溝に流され、年間800万tも海に排出されており、2050年には魚よりも多くなると予測されています。1分間にトラック1台分のプラスチックが海に流入し、半永久的に海に残存します。
特に、直径5mm以下の微細なプラスチックをマイクロプラスチックといい、分解されて漂着したプラスチックのほか、洗顔料や歯磨き粉、ボディスクラブなどの美容製品、農業で使われる被覆肥料(ひふくひりょう)や資材があります。
被覆肥料とは、表面をプラスチックコーティングした水溶性の粒状肥料であり、作物の生育に応じてゆっくりと溶け出す点がメリットですが、溶け出した後に残るプラスチックが小さなマイクロプラスチックとなり、土壌に混ざり、作物の根から吸収して人間の体に蓄積され、農業排水として河川に流れ込み、海に辿り着いて海洋プラスチックゴミとなっています。
マイクロプラスチックは回収が非常に困難であり、プランクトンや魚介類を通じて人体に吸収され、血液や臓器に残留します。
マイクロプラスチックの検出事例
●2016年:東京農工大学の研究チームが東京湾で採取したカタクチイワシの8割からマイクロプラスチックを検出
●2017年:京都大学の研究チームが本州各地で採取した魚の4割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:グリーンピースと韓国の仁川大学校の教授の共同調査で世界39の塩ブランドを分析した結果、9割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:オーストラリアの学会が日本人を含む被験者8人全員の糞便からマイクロプラスチックを検出
●2018年:グリーンピースの南極遠征チームが水と雪のサンプルを採取からマイクロプラスチックと有害化学物質の汚染を確認
●2018年:ニューヨーク州立大学の研究チームがペットボトル入りミネラルウォーターの9割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:アメリカの大学など研究グループが世界13カ国の水道水、欧米やアジアの食塩、米国産ビールからマイクロプラスチックを検出
●2019年:福岡工業大学が、同大学の屋上で採取した空気や降水中の成分からマイクロプラスチック片を検出
●2020年:グリーンピースとエクセター大学が海洋食物連鎖の上位に位置するサメの3分の2がマイクロプラスチックを含んでいることを発表
●2020年:妊婦6名の胎盤を調べた結果、4名からマイクロプラスチックを検出
●2022年:イタリアの研究者チームがローマの病院で出産をした34人の母親のうち26人の母親の母乳からマイクロプラスチックを検出
●2022年:オランダのアムステルダム自由大学の研究チームが健康な成人22人の血液のうち17人からマイクロプラスチックを検出
●2023年:中国の首都医科大学の研究チームが15人の心臓手術患者から採取した心臓の筋肉や心膜など5つの組織を調査したところ、直径最大469μm(0.469mm)の9種類のマイクロプラスチックを検出
●2017年:京都大学の研究チームが本州各地で採取した魚の4割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:グリーンピースと韓国の仁川大学校の教授の共同調査で世界39の塩ブランドを分析した結果、9割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:オーストラリアの学会が日本人を含む被験者8人全員の糞便からマイクロプラスチックを検出
●2018年:グリーンピースの南極遠征チームが水と雪のサンプルを採取からマイクロプラスチックと有害化学物質の汚染を確認
●2018年:ニューヨーク州立大学の研究チームがペットボトル入りミネラルウォーターの9割からマイクロプラスチックを検出
●2018年:アメリカの大学など研究グループが世界13カ国の水道水、欧米やアジアの食塩、米国産ビールからマイクロプラスチックを検出
●2019年:福岡工業大学が、同大学の屋上で採取した空気や降水中の成分からマイクロプラスチック片を検出
●2020年:グリーンピースとエクセター大学が海洋食物連鎖の上位に位置するサメの3分の2がマイクロプラスチックを含んでいることを発表
●2020年:妊婦6名の胎盤を調べた結果、4名からマイクロプラスチックを検出
●2022年:イタリアの研究者チームがローマの病院で出産をした34人の母親のうち26人の母親の母乳からマイクロプラスチックを検出
●2022年:オランダのアムステルダム自由大学の研究チームが健康な成人22人の血液のうち17人からマイクロプラスチックを検出
●2023年:中国の首都医科大学の研究チームが15人の心臓手術患者から採取した心臓の筋肉や心膜など5つの組織を調査したところ、直径最大469μm(0.469mm)の9種類のマイクロプラスチックを検出
マイクロプラスチックは、発癌性、子宮内膜症、免疫機能低下、生殖機能障害、神経障害、知能の発達や発育異常、奇形など、健康への影響があります。
体内の生殖や発達の恒常性を乱す「内分泌かく乱作用」のある物質を、環境省では、「環境ホルモン」として70種類以上リストアップしましたが、その殆どが農業に使われる除草剤・殺虫剤や、被覆肥料などプラスチックでした。
農林水産省は、流出防止対策を検討するため、被膜殻のほ場(水田)からの流出実態を調査し、使用済みプラスチックの適正処理、排出量の抑制、海洋への流出防止の取り組みを始めました。
今や深刻な国際問題へと発展しており、世界中で使い捨てプラスチックやマイクロビーズ、マイクロファイバーなどを廃止が加速しています。
そして不可能とされるプラスチックゴミ100%回収を目標に、世界中で色々な取り組みが始まっています。