フードシナジー
フードシナジーとは、特定の食べ合わせによる栄養の相乗効果のことです。
昔から食べられている「茄子と生姜」「豆腐とワカメ」などの組み合わせは、実は栄養効果の面からみても非常に理にかなっていることが分かっています。
食べ合わせによって、栄養の効果が何倍にもなるフードシナジーを紹介します。
●リコピン+良質な油
[食べ合わせ例:トマト+オリーブオイル、トマト+マヨネーズ]
トマトなどに豊富に含まれるファイトケミカル、リコピンは、油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。
抗酸化作用たっぷりのリコピンをしっかり摂取するためには、ドレッシングやマヨネーズをかけたり、油を使って加熱することが効果的です。
●βカロテン+良質な油
[食べ合わせ例:人参+油炒め]
体内で必要量がビタミンAに変換されるβカロテンは脂溶性であるため、生のままでは栄養は体内の水分に溶けず、ほとんど吸収できません。
「カロテン」の語源になったほど豊富にカロテンを含む人参も、油と一緒に調理することがおすすめです。
ただし、最近の研究では、人参自身に含まれる脂質が加熱することにより溶け出し、βカロテンの吸収を助けることも分かってきたので、油は控えめで良さそうです。
●鉄+ビタミンC
[食べ合わせ例:ほうれん草+レモン、小松菜+ピーマン]
貧血の原因の90%が鉄不足です。
月経ありの女性は鉄分を1日8.5g摂る必要があります。
現代の食生活が影響し、女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血であり、更に中学・高校の女子生徒の貧血有病率が増加傾向にあります。
鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。
非ヘム鉄は体内に吸収されづらく、鉄とビタミンCを一緒に摂取すると鉄の吸収が6倍になります。
●カルシウム+ビタミンD
[食べ合わせ例:小松菜+きのこ類]
丈夫な骨を作り精神を安定させるのに欠かせないカルシウムを骨に定着させるのに役立つのが、きのこ類に多く含まれるビタミンDです。
カルシウムとビタミンDの組み合わせは、大腸癌や糖尿病の予防にも効果があると言われています。
●ミネラル+クエン酸
[食べ合わせ例:小松菜+レモン]
梅やレモンなどに含まれるクエン酸にはミネラルの吸収を促進するキレート作用があるので、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など体内に吸収されづらい金属ミネラルと一緒に摂取することが効果的です。
●カプサイシン+ジンゲロール
[食べ合わせ例:トウガラシ+生姜]
トウガラシなどに含まれるカプサイシンは体に良いと言われている成分ですが、激辛料理などを頻繁に食べて過剰摂取となると免疫細胞の活動を阻害し、発癌リスクが高まることが指摘されています。
しかし、生姜に含まれるジンゲロールと一緒に摂取すると、カプサイシンの発癌リスクはなくなり、逆に発癌率が8割も減少します。
●クルクミン+ピペリン
[食べ合わせ例:ターメリック+黒胡椒]
カレーに欠かせないスパイスであるターメリック(秋ウコン)には、クルクミンというポリフェノールが含まれています。
強い抗酸化作用を持つクルクミンの吸収を促進するのが、黒胡椒に含まれるピペリンという成分。
一緒に摂取すると、抗酸化力がなんと20倍にもなります。